ランダイト帝国
皇帝を頂点とする、最も広い版図を支配下に置く帝国。
その起源は古く、大陸歴成立以前、高山地帯に住み着いていたことで地上を襲った大災害の被害を免れたランドラ族が下山し、災害により弱体化した他部族を次々に吸収して興したランドラ王国が基になっている。
初代王の夢であった大陸統一を現在も標榜し、他国からは戦いに明け暮れる侵略国家と認識されており、事実、15年前に終結した《暗い雨戦争》をはじめとする大規模な戦争の多くがランダイト皇帝の宣言によって開戦している。またランドラ族ら山岳民族が持っていた地神信仰を現在まで国教として引き継いでいるため、帝都の背後にそびえる霊峰ガレフジオをはじめとする大陸各地の山々を聖地に定めており、その奪取も侵攻の一因とされる。
かつては占領地の住民を安価な労働力として酷使し、その方針こそが帝都などの強固な主要都市を築いたともいえるが、それに起因した反乱によって三度に渡って国土を失ったことから現在は彼らにも一定の権利を与え征服者として認めるよう求める方向に転換している。
ランドラ国建立を元年とする大陸歴はこうした最大国の攻勢と必死に抵抗する諸勢力との戦いの歴史でもあり、それは玉座の悲願が達成されるまで終わることなく続いていくと目される。
帝都エクサントル
ランダイト帝国の首都であり、大陸一の規模を誇る都市。
ランドル城の置かれた中心部を囲う旧市街壁『ランドルの盾』、人口の増加にともない旧市街壁の外へ溢れ出た市民のために築かれた新市街壁『質実の盾』の二重の壁が街を守っており、現存する最古の都市でありながら成立以来一度も陥落したことがないため、永遠の都とも呼ばれる。
旧市街は《一等市民》である領地を持たない貴族や行政官、帝室直属の兵とその従僕たちが比較的安定した暮らしを送っているが、《二等市民》が中心の新市街での生活は「この世のすべてがここにある」と例えられる混沌の様を呈している。
建国王イシュター・ランドルが王の誓言とともに槍を突き立てた地としても知られ、ランドル城前の大広場にはその場面を表した彫像が設置されている。
ランドル城
大陸歴1年、建国王イシュター・ランドルが築いた砦を前身とする、ランダイト皇帝の居城。
歴代の王、皇帝が増改築を繰り返した結果、現代のそれと比較しても劣ることのない大陸屈指の荘厳な城として帝国の盛隆を示し続けている。
城内では厳しい規律によって時には皇帝でさえ行動に制限を受けるものの、皇帝とその近縁者の他、参事会員や近衛兵など多くの人々が居住しており、日中は常に活気に満ちている。